お役立ち情報

LinuxでID-1のUSBを使用する

 ID-1には、制御用のデーターの入出力の端子としてUSBがあるだけで、他の 端子は存在しません。(TCP/IP用の端子として、10Base-Tがある。)このため ID-1と情報の交換をするためには、USB端子を使用するしか方法はない。 LinuxにID-1を接続できるようにするためのパッチ情報です。

D-STAR関連のUSBのベンダーIDとプロダクトID

ICOM社のベンダーID 0x0C26
プロダクトID
ID-1 0x0004
ID-RP2C Service 1 (Assist 1) 0x0009
ID-RP2C Service 2 (Assist 2) 0x000A
ID-RP2D 0x000B
ID-RP2V Service T 0x000C
ID-RP2V Service R 0x000D
ID-RP4000V Service T 0x0010
ID-RP4000V Service R 0x0011
ID-RP2000V Service T 0x0012
ID-RP2000V Service R 0x0013
これ以外に、ID-RP2Dには、下記のベンダーIDとプロダクトIDも使用されています。
ICOM社ベンダーID 0x0403
ID-RP2DプロダクトID 0x6001
これらが、LinuxのFTDIドライバーに組み込まれていれば、特定のバージョンのLinuxでなくても使用できます。

ID-1からDDモードで送信されるパケットの確認方法

PC上を行き来しているTCP/IPのパケットをモニターするプログラムとして Wiresharkがあります。 このプログラムは、http://www.wireshark.org/ からダウンロードできます。また、このプログラムは WinPcapと呼ばれるプログラムも必要です。 http://winpcap.polito.itからかダウンロードしてインストールして下さい。
下記に、このプログラムの使用方法の概要を示します。


「Capture」をクリックし、「Start」を選択します。


ID-1が繋がっているNIC(ネットワークカード)を選択します。


「OK」をクリックします。モニターが始まります。


モニター(Capture)を止めるには、「Stop」をクリックします。


「Stop」を押すまでの間のパケットが表示されます。上記例で赤線で囲って ある部分が、pingに対するモニターです。(ただし、上記例は、ID-1への アクセスでなく通常のインターネットへのアクセスの例です。)

ID-1でDDモードのモニター(狸ワッチ)をする

(1)ID-1のコントローラーの液晶表TXinhの表示が出ていることを確認する(なっていない場合は、TXinhを押して変える)
(2)ID-1の電源を一度切る
(3)RC-24(コントローラー)のSET(TXinh)とFINP(L)を押しながら電源を入れる

下記の図を参照して下さい。緑色の線のが同時に押すキーです。 赤色の線のが電源です。

この操作で、PC側でDDモードのパケットのモニター(狸ワッチ)ができます。RC-24やコントロール プログラムの表示は変わりません。ただしパケットをモニターするソフトウエアーがPCにインストールされていないとモニター できません。モニターに使用出来るプログラムとして
Wiresharkが使用出来ます。 詳細は、上の「ID-1からDDモードで送信されるパケットの確認方法」を見て下さい。

管理サーバーに自分の情報を登録する

D-STARの目玉である、レピータアリアを越えてのアクセスは、自分の情報を 管理サーバーに登録、もしくは更新しないとできません。この登録・更新処理は、 レピータをアクセスすることで実行されます。このため、レピータを使用する 場合は、電源を入れた直後、もしくは他のエリアに移動した場合は、そのレピータ に必ずアクセスして下さい。交信を行わなくても、アクセスできるかの確認だけで も大丈夫です。
なお、この情報の更新は5分毎の行われますので、各地のGWからアクセスできるように なるには、最長5分待たされることになります。

レピータの誤中継と割り込みについて

現在各地で運用されていますレピータはICOM社製のRP2と呼ばれるレピータで、その中継方法 については、JARLが制定した機能以外に付加機能を追加しています。この付加機能に言及する前に D-STARの特徴とも言える、中継方法について考察することにします。
JARLが制定している中継方法は、無線部ヘッダーに含まれる、自局コールサイン、 相手局コールサイン、中継レピータ1、2のコールサインを使用して音声の場合は、PTTが押さ れてから離されるまでの一電文単位で中継されます。DDの場合もTCPのパケット単位で中継され ます。これが、他のVoIPのEchoLink、IRLP、WiRESと異なるところです。以下、音声モードの DVモードを例に説明することにします。PTTが押されてから離されるまでの間の一連の音声は、 AD変換機でディジタルに変換された後、DVI社のAMBE2020を使用して音声圧縮がなされます。この 圧縮されたデジタル信号をGMSKで変調して相手に送ることになります。このとき、この音声の 一連のデジタル信号を送信する前に、中継に使用する情報を含んだ無線部ヘッダーの情報が 同じくGMSKで送信されます。この無線部ヘッダーと音声部分のデジタル信号、そしてPTTが離された 直後に送信すべき音声情報が無くなった時点でこの送信の終了を意味するビット列を送信します。 (PTTが押されている間、連続して音声の情報を送信されますので、可変長になります。)この、 一連の送信単位(一電文)で中継がされます。これがD-STARの転送手順です。このため、この電文 が終了した直後に別の利用者がレピータに対して送信をすれば、正常に処理がされていれば、新し い中継先に転送されることになります。ここまでが、JARLが決めた手順です。
実際には、 1.正常にヘッダー情報が受信できなかった場合
2.終了情報が正常に受信できなかった場合
をどうするかが問題になります。これらの実装方法が、各メーカー(現在はICOM社一社ですが) 独自機能となります。現在のICOM社の場合は、正常にヘッダーが受信できなかった場合は、破棄す るのでなく正常に受信できている直前のヘッダーをそのままコピーして使用しています。また、正常に 終了が受信できなかった場合は、2秒間待つことになります。この2秒間の間に新しい電文がきた場合 、先の電文の続きとして処理されます。
2008年02月28日更新
CopyRight(c) 2004-2008 All Rights Reserved.
安田 聖(やすだ さとし)7M3TJZ
E-mail: 7m3tjz@jk1zrw.ampr.org