SSBでD-STARを運用する(HF)

最近、海外のMLでHFでの運用が話題になっています。これは、IC-7100等にDVモードが使えるようになったことによるのですが、 基本的には周波数変調(FM)での運用に限られます。最近、SSBでの運用も試されているようですが、現時点では成功したとの報告は なされていません。これは、GMSKの周波数特性によるもので、4800bpsのBTが0.5の場合、復調には、下が20Hz以下、上が2400Hz以上 となります。上に関しては、現状のSSB送受信機でも問題になることは少ないのですが、下の20Hz以下が問題となります。送信に関して は、それほど問題になることは無いと思われますが、受信に関しては、現在のSSB受信機の復調回路に使用されているIFフイルターの 特性で、200Hz以下の周波数が復調できないためです。これを避けるには、GMSKの出力を変調回路に入れる前に少し周波数をシフト (例えば300Hz程度)し、受信側では、このシフトを戻す方法、3000Hzで反転させ送信し、復調後反転さす方法等の工夫が必要です。 これらの方法以外に、RZSBBで提案されている、 変調周波数がキャリアーに対して位相のずれとして表現できることを利用して、復調する方法も考えられます。この方法は、SSB変調 であるにもかかわらず、FM並みの周波数特性が確保できることから、この復調回路が実現できれば、SSBでの交信ができる可能性が あります。
2012年12月10日更新
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安田 聖(やすだ さとし)7M3TJZ
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